【店舗活用】オーダーメイドバイクスーツ採寸を効率化、受注多店舗化で事業拡大へ
2024.10.15
(井上さん)
南海部品株式会社はモーターサイクル関連用品を専門に取り扱い、関西を中心に、日本全国で店舗を運営しています。"Always Riders at Heart"をスローガンに掲げ、プロ、アマチュアを問わず広くライダーをサポートしています。
彼らの看板商品であるオーダーメイドレーシングスーツの製作には正確な身体採寸が求められます。しかし、高度なスキルが求められるがゆえに、採寸できるスタッフは一握り。そのため、オーダーメイドの注文を受けられる店舗が限られていました。受注できる店舗を増やすには、誰でも簡単に高精度に採寸をできるようにしなければならない、という課題を解決するために注目したのがZOZOMETRYでした。
今回は、仕入部 部長の和崎さん、仕入部 企画課の井上さんに、ZOZOMETRYの導入を決めた背景や、今後の展望についてお聞きしました。
ZOZOMETRYで以前から課題だったレーシングスーツの採寸課題を解決。
(左:井上さん / 右:和崎さん) |
ーZOZOMETRYの導入を決めた背景について教えてください
和崎さん:レーシングスーツを身体にフィットさせる正確な採寸には多くの時間がかかるため、顧客満足度の低下が課題でした。また、採寸できる人員配置や、採寸スキルの教育などのリソースもかかっていることに課題感がありました。より効率的で正確な採寸方法を探す中で、ZOZOの計測テクノロジーのパートナー募集ページを2年前に見かけ、進化したZOZOSUITを知りました。その後、ZOZOMETRYとしてリリースされることを知り、自社の課題解決に適していると感じたことが、導入を検討するきっかけとなりました。
ー導入前にはどのような課題がありましたか?
和崎さん:オーダーメイドのレーシングスーツを広める上で、採寸作業の非効率さが以前からの課題でした。導入前は、研修を受けた担当者が一人ひとり採寸していたので、時間も労力もかかり、ミスも起こりやすかったんです。でも、ZOZOMETRYなら誰でも正確に採寸できて、ミスのリスクも減らせますし、顧客の負担も少ないので、導入を決めました。
ミスが許されない採寸業務が誰でも簡単に。研修、教育不要で業務を効率化。
(手前:井上さん / 奥:和崎さん) |
ー採寸業務の具体的な課題について教えてください。
和崎さん:採寸にかかる時間の長さと、採寸業務への恐怖感です。人によって違いますが、例えば熟練したスタッフなら、ミスなく15分から30分で終わります。しかし、慣れていないスタッフだと採寸に1時間ほどかかってしまい、また、ミスが生じて誤った数値でレーシングスーツを作ってしまうことがありました。もちろん、採寸にかかる時間が長くなることも問題ですが、何より自信を持って「これで正しい」と言える人が少ないことが問題だと思っています。採寸した値が正しいという自信を持ちづらく、採寸業務に不安感を感じるスタッフがいることも事実です。いざ出来上がったレーシングスーツが、お客様の身体に合わないこともありました。また、人によって採寸する位置が異なることで微妙なエラーやミスが発生し、顧客満足度にも影響を与えています。お客様にとっては、毎回異なる結果が出ると信頼感が持ちづらくなります。
ー採寸はスキルが求められる業務なのですね。どのように身に付けるのですか?
井上さん:最初は本社に技術者を呼んで研修会を行います。どの箇所をどのように測るのかなど、一から技術者に教わってから実際に研修を受けるスタッフも全ての箇所を測ってみるという流れです。その後は店舗に戻って実践の中で身に付けていきます。ただ実際にはスキルを持った技術者は数名しかおらず、そのレベルに到達するまでの実践の場を設けることも難しいですね。加えて、店舗スタッフの入れ替わりも多く、毎回教えることも効率的ではないので困っていました。
ー研修を行ったり、そのあとの実践の場で経験を積むとなると、マスターするまで時間がかかりそうですね。
和崎さん:はい。長い時間をかけて、採寸研修や店舗での経験を通じた形でしか会得できなかった採寸スキルが、ZOZOMETRYをつかえば誰でも簡単に高精度な採寸が可能になり、スタッフの採寸スキルによる採寸のばらつきも無く、フィット感のいい良い製品をすべてのお客様へご提供できる様になりました。
ZOZOMETRYに合わせて作業工程をアレンジ。身体3Dデータと職人の経験でよりクオリティが高いレーシングスーツ製作を実現。
(南海部品株式会社様提供 Photo by 木引) |
ーZOZOMETRYでは南海部品様の採寸箇所に合わせてカスタマイズしました。しかし、計測出来ない一部箇所はZOZOMETRYに合わせていただきましたが、レーシングスーツ製作に影響はなかったですか?
和崎さん:そうですね、元々採寸していた箇所がZOZOMETRYでは一部採寸出来ないという課題はあったものの、正確な身体3Dデータから身体の特徴を捉えることができたので大きな問題ありませんでした。身体3Dデータがあることで、製作側もどのような体型の方が着るのかを正確に把握できます。これにより、前傾姿勢など特定の姿勢を取ったときのフィット感も予測しやすくなりました。さらに、職人さんの経験が加わることで、さらに細かい調整が可能になり、例えばバイク乗車姿勢だと背面が立ち姿勢時のプラス何センチになるなどの予測ができます。加えて、単なる数字だけでなく、体型のイメージがつく身体3Dデータがあることで、より具体的なフィッティングが可能になります。このように、身体3Dデータと職人の経験が組み合わさることで、より効率的に精度の高い製品を作ることができるようになりました。
ー導入後の変化/感じている可能性はありますか?
和崎さん:導入後は採寸作業の効率が大幅に向上しました。採寸の手間が省け、採寸ミスがなくよりスムーズなオーダーが可能になったと思います。
看板商品のオーダーメイド レーシングスーツをもっと多くのお客様に届けたい
(和崎さん) |
ー今後、取り組んでいきたい内容があれば教えて下さい。
和崎さん:創業以来、会社が成長する過程でレーシングスーツは中心的な役割を果たしてきました。プロライダーへの提供を通じて、プロモーションの一環となり、他の用品の販売も増えていきました。現在も会社の看板商品として位置づけており、こだわりを持って提供し続けています。レーシングスーツは、会社の象徴として重要な役割を果たしていて、今後もその価値を伝えていくためのツールとして活用していきたいと考えています。
さらに広くレーシングスーツを届けるために、オーダーメイドの注文を受けられる店舗を、ZOZOMETRYを活用しながら関西、九州、東北など、日本全国でエリアごとに設けたいと考えています。どのエリアでも少し足を延ばせばお店に行けて、レーシングスーツが作れるようなイメージです。
日本での提供が先ですが、ZOZOMETRYは遠方に住むお客様の採寸も可能なので、将来的には海外マーケットも視野にいれています。現在も台湾のライダーをサポートし、プロモーション活動を続けているため、台湾は可能性のあるマーケットだと思います。現地からのレーシングスーツ製作の依頼も増えてきていますが、採寸が現地でできないという問題があるため、ZOZOMETRYの活用ができないか、将来的に検討したいと考えてます。
ー日本国内からはじめて、グローバルに事業が拡大できるよう、ZOZOMETRYとしても貢献できればうれしいです。その中で、今後、ZOZOMETRYに追加されると良い機能や期待していることがあれば教えてください。
井上さん:お客さま目線で考えると、自分がレーシングスーツを着たときのイメージがどうなるかを具体的に見たいというニーズがありそうです。例えば、色の組み合わせを変えたり、デザインをカスタマイズしたりすることで、より自分に合ったものを試着したいという感じですね。
和崎さん:そうそう、その通りです。実際に来店しなくても、Web上で自分のフィット感やデザインを確認できるようにしたいです。そこでカスタマイズもできるようになれば、さらに便利ですよね。