東洋大学 陸上競技部

【特別インタビュー】栁田大輝×ZOZOMETRY──オリンピック決勝の舞台を狙う身体づくりと、数値で得た新たな手応え

スポーツ分野活用

2025.06.25

 

東洋大学・栁田大輝選手

2025年5月に開催されたセイコーゴールデングランプリ陸上100mで、世界の名だたる強豪を破って優勝した、東洋大学 陸上競技部 短距離部門・栁田大輝選手。目指すのは、オリンピックや世界陸上の決勝の舞台。そのステージで求められるのは、9秒8台という世界トップレベルのスプリントタイムだ。栁田選手は、現在の自己記録から一気に突き抜けるような成長で、9秒9台を超え、9秒8台に突入することを視野に入れている。

その挑戦の一環として取り入れているのが、スマートフォンで簡単に全身のサイズを計測できるZOZOMETRY。身体の変化を“数値”で可視化しながら、日々のトレーニングと連動させて記録更新に挑んでいる。

今回は栁田選手本人に、ZOZOMETRYを活用して得た気づきや、今シーズンにかける想いについて語ってもらった。

 

見える化で、練習の意味が確かめられる

 

─ ZOZOMETRYを取り入れて、どのような気づきがありましたか?

一番大きかったのは、「これまで見えなかった身体の変化が見えるようになったこと」ですね。去年の10月から月1でZOZOMETRYを使って計測を始めたんですけど、冬のオフシーズンで練習を追い込んだタイミングで測ってみたら、数値が明らかに上がっていて。「あ、効いているな」と手応えを感じました。

ヒップとか太ももが特に伸びていて。狙って鍛えたというより、練習していたら自然と大きくなっていたという感覚なのですが、それがちゃんと数値に表れてくると、「この練習は意味があったんだ」と確信できるようになりました。

ヒップが初めて100を超えたとき、みんなに「本当にあるの?」って驚かれて、メジャーで測ってみたら、ちゃんとあって。ZOZOMETRYってすごいな、って思いましたね。

これまでも体組成計で体重や筋肉量は見ていましたが、「どこがどう変化したか」までは分からなかったんですよね。それがZOZOMETRYなら部位ごとに見える。練習量が増えればサイズが大きくなるし、減れば落ちてくる。この関係がはっきりしてきました。

12月や1月の追い込み期が一番大きくなって、春から夏に向けて絞っていくと自然とサイズが減っていく。そのサイクルが“数値で見える化”できるのは、自分にとってすごく大きな武器になります。

ZOZOMETRYで体型数値を確認する栁田選手


数字をもとにしたコンディション調整へ


─ これから本格的なシーズンに入りますが、数値をどう活かしていきたいですか?

これまで身体の仕上がり具合というのは完全にフィーリングでした。「最近ちょっと走れてないな」「筋肉落ちてきたかも」って思ったら、練習を詰める感じ。でも今は、ZOZOMETRYで“数字”が見えるので、落ち始めたときに「あ、やばいかも」とか、「戻さなきゃ」という判断ができるようになると考えています。

特に、試合が続いて練習量が減ってきたときって、身体って確実に削れてくるんですよ。休んで元気にはなっても、“走れる身体”にはなかなか戻らない。そこでどこかで1回、練習の量を入れ直す必要がある。そのタイミングを見極めるためにも、数値って便利なんです。

もちろん、ただ大きければいいわけじゃなくて、“動ける筋肉”じゃないと意味がない。7月の日本選手権に向けて仕上げていく中でも、身体を絞りながらストライドを伸ばしていき、出力もだしていきたいなどとバランスを取る必要があって。そういうときも、数値での“目安”があると調整しやすいです。

 

”パフォーマンスの最適解”を探してオリンピックや世界陸上の舞台へ


─ これからもっと速くなるためには、何が必要と考えていますか?

正直なところ、「これが理想の身体だ」という明確な完成形はまだ持てていません。でも、だからこそ、定期的に計測を重ねながら、どんな身体の状態が最も速く走れるのかを探り続けたいと思っています。

競技は、結局トライ&エラーの積み重ねです。「このときはよく走れたな」とか、「このタイミングで疲れが出やすかったな」といった経験と、ZOZOMETRYのデータを照らし合わせていくことで、自分の中で“パフォーマンスを最大化できる状態”が少しずつ明確になってきている感覚があります。

最近では、測定結果をコーチ陣とも共有し、トレーニングの組み立てや身体づくりについて、これまで以上に議論することが増えてきました。感覚だけに頼るのではなく、データをもとに仮説を立て、それを実践して検証していく。そのプロセスを繰り返す中で、自分にとっての「最適解」を見つけていきたいと思っています。


─ 最後に、今シーズンの目標を教えてください。

目指しているのは、オリンピックや世界陸上の100m決勝の舞台に立つことです。そのためには、まず参加標準記録である10秒00の突破、そして7月の日本選手権で代表に選ばれることが不可欠です。

ただ、自分の中では「標準記録の突破はゴールではない」とはっきりと考えています。世界陸上で本気で戦うためには、まず国内で確実に勝ち切ることが必要です。だからこそ、走るからには常に1番でゴールすることを何より重視しています。
究極的には、9秒9台、あるいは9秒8台を達成するという高い目標も掲げています。簡単に届くものではありませんが、そのレベルを見据えることで、日々の練習の質も確実に変わってきました。

そして今年は、大学最後のシーズン。だからこそ、自分の大学での競技人生の集大成として、世界の舞台に自分の力で立ちたい。それが今、自分に課している目標です。

 

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